総務省は2017年6月5日、請負主体である三菱総合研究所を通じて、「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた実証」事業に関する公募を開始した。応募は2017年6月19日まで受け付ける。

 同事業の目的は、視聴者ニーズや地域課題に対応したネット連携などの新たな放送サービス展開や地域コンテンツの一層の流通促進を図ること。実証的検証を通じてハイブリッドキャスト対応4Kテレビを活用した新たな放送サービスの普及推進に向けた技術・運用面での課題や方策案を整理する。さらに視聴者保護の在り方について包括的な取りまとめを行う。

 実証事業の類型として、「4Kコンテンツ同時配信、再生に関する検証(ユニキャスト)」「効率的なコンテンツ配信方式に関する検証(マルチキャストなど)」「視聴データ利活用による放送サービスのサービスモデル、および運用方法の在り方に関する検証」の三つを用意した。

 「4Kコンテンツ同時配信、再生に関する検証(ユニキャスト)」および「効率的なコンテンツ配信方式に関する検証(マルチキャストなど)」では、「技術、運用面での課題の明確化・方策案の検討」についての事業成果を実証事業者に求める。また、「地域情報や広告などの放送コンテンツ内への情報・コンテンツ挿入に関する検証」あるいは「ハイブリッドキャスト動画再生時における放送へのスムーズな移行に関する検証」を、各類型ごとに必須あるいは任意事項として盛り込んだ。

表●実証事業の三つの類型
表●実証事業の三つの類型
出所:三菱総合研究所発表資料の事業企画募集要項から
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 「視聴データ利活用による放送サービスのサービスモデル、および運用方法の在り方に関する検証」では、「地域の関係事業者が連携した視聴データなどの活用による地域活性化に資する放送起点型の新たなサービスモデルに対する提言」「視聴者保護の観点から適切な通知内容の在り方に対する提言」などを求める。

 選定基準として、「通信事業者や受信機メーカー、地域の事業者と連携した体制であること」を必須の条件とした。また、地域の放送事業者が筆頭提案者であることも加点要素として取り扱う。

 採択結果の通知は2017年6月末を予定する。採択件数は、事業全体で10件程度を想定する。

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