メディアキャストは2017年6月6日、データ放送を低コストで簡単に開始可能なクラウドサービスとして「DataCaster LimiC (データキャスター リミック)」を発表した。2017年7月の販売開始を予定する。

 新サービスは、地上波のテレビ局やケーブルテレビ局で多数の納入実績がある統合型データ放送システムソリューション「DataCaster M3」をベースとする。データ放送に必要なコンテンツ制作、送出、運用機能をクラウドで提供する。

図●システム構成
図●システム構成
(出所:メディアキャスト)
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 クラウド上では、データ放送で提供する各種情報を収集して情報更新を行うCMS機能、データ放送で伝送するためのカルーセル化、データTSファイルを生成する送出機能などを実行する。クラウドセンターで生成されたデータTSファイルは、ケーブル局などクラウドサービス利用者側の受信サーバーに一定間隔で送られる。これを送出信号(DVB-ASI)に変換し、多重化装置へ出力することでデータ放送サービスを実現する。

 データ放送の画面掲載情報については、自動情報更新機能がある。例えば、災害情報共有基盤「Lアラート」や、各地域で災害情報配信として実施されている電子メール配信などの情報収集が可能。また、既存のWebサイトに掲載されている情報を自動収集するコンテンツ連携や、ライブカメラ画像収集なども行うことができる。

 同サービスの導入局は、最小限の導入機器と簡易な操作のみで、データ放送サービスを実施できる。基本的には、導入局でテレビ画面のテンプレートを選択すると、常時提供型の一般的なデータ放送が可能となる。

 近年のケーブルテレビ放送では、災害情報の提供の重要性が高まっている。一方で全国的に見れば、小規模ケーブルテレビ事業者や各種共聴施設が数多く点在しており、その大部分は予算や技術者が限られる中での運用を強いられている。今回のサービスは、こうした小規模な事業者に向けたもので、メディアキャストは「データ放送の裾野を拡げるもの」と位置づける。

 メディアキャストは約2年前から、おおむらケーブルテレビ(本社:長崎県大村市)において、今回の「DataCaster LimiC」の試験運用を実施してきた。

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