米アップルは2017年6月5日(現地時間)、カリフォルニア州サンノゼで開発者向けカンファレンス「WWDC 2017」を開催し、「iOS 11」などの新OSや、10.5型の新iPad Proやスマートスピーカー「HomePod」など多数の新デバイスを発表した。
最年長は82歳、75カ国から5300人が参加
基調講演の冒頭では、アップルのサーバーが落ちることでiPhoneが使用不能になり、世界が崩壊の危機に直面するコミカルな動画により、iOSアプリがいかに重要な存在であるかを開発者に訴えるところからスタートした。
次に、同社CEOのティム・クック氏が登壇。「App Storeには1600万人の開発者が登録している。75カ国から5300人の開発者が参加するWWDCは、世界最大の開発者会議だ」と切り出した。参加者の年齢も幅広く、最年少は10歳、最年長としては日本から参加した82歳の若宮正子さんを紹介した(写真1、2)。
個々の新製品の詳細は、上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏や上級副社長のフィル・シラー氏らがプレゼンテーションを担当した。
スマートスピーカー「HomePod」発表
WWDCでの発表が期待されていたスマートスピーカー製品「HomePod」を発表した。Siriによる音声操作に対応した高さ7インチのスピーカーで、フィル・シラー氏は「家庭内の音楽環境を再発明する」と紹介した(写真3)。
内部にはiPhoneなどに用いてきたアップル製のCPU「A8」を搭載。リアルタイムの音響モデリングや音楽のビームフォーミングなどの演算に利用する。Siriを用いた音声操作では「誰が歌っているのか?」など、音楽に関する質問への対応を特に強化した(写真4)。
音楽以外にもニュースや天気、スポーツの試合結果といった情報の読み上げ、タイマーの設定、Home Kitデバイスのコントロールなどを音声コマンドで指示できることを明らかにした。
本体カラーはホワイトとスペースグレーの2色。米国での価格は349ドルで、2017年12月に米国、英国、オーストラリアで発売する。日本での発売には言及しなかったが、その他の地域では2018年の展開になる見込みとした。