SAPジャパンは2017年5月31日、NTTドコモがデータ分析基盤「SAP HANA」を採用したと発表した。これまで1~2週間をかけていた顧客データの分析を、現場レベルでリアルタイムに実施できるようになったという。稼働開始は2017年3月。

 新システムは、NTTドコモの顧客対応や営業効率化が主な目的。全国約2400店舗のドコモショップや1万席超のコールセンターが発生元となる顧客関連データを、インメモリーデータベースを核とするデータ分析基盤「SAP HANA」に取り込む。合計で18Tバイトのデータベースは「単一企業としてはアジアで最大」(SAPジャパン広報)とする。システム構築はNTTデータが担当した。

 利用を見込むユーザーは、NTTドコモの全従業員。NTTドコモグループの情報共有システム「DiSH」にアクセスできる端末を通じて分析機能を利用する。販売施策の迅速な把握や、営業担当者への情報提供に生かす。

 NTTドコモの基幹系システムは、経営管理システム「DREAMS」、顧客管理システム「ALADIN」、料金システム「MoBills」の大きく3つで構成される。新システムはこのうち、ALADINとMoBillsのデータが対象だ。DREAMSのデータについては「今後の利用を検討する」(NTTドコモ広報部)という。