日立製作所は2017年5月31日、製造業向けに、IoTプラットフォーム「Lumada」をベースとした「進捗・稼働監視システム」と「作業改善支援システム」の2つを、2017年7月から提供すると発表した。同社の「大みか事業所」で開発したシステムを外販する。

大みか事業所での生産モデル。これを汎用化して提供する
大みか事業所での生産モデル。これを汎用化して提供する
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 今回提供開始する2システムは、多品種少量生産工場の現場での利用を想定している。クラウドサービスとして提供するが、顧客の要望に応じてプライベートクラウドや工場内サーバーへの導入も可能という。製造現場で重要とされる3つの要素(人、モノ、設備)の情報を収集し、現場の状況を可視化。さらに、現場改善を検討する社員に、分析するためのデータを提示する。

 日立は2016年10月に、大みか事業所でIoTを使った生産モデルを確立したと発表済み。約8万個のICタグを活用し、工程を“見える化”、効率化することで、生産リードタイムの50%短縮を実現したという。

 今回発表した2システムのうち、一つ目の「進捗・稼働監視システム」は、作業の進捗状況を可視化する。人、部品を入れた箱、生産設備などにICタグを付けてで各種データを収集する。これにより、「どの設備を使って、誰が、どの部品を組み立てる作業をしているか」が分かるという。

 それぞれの作業の進捗状況のグラフに加え、現在時刻と完了予想時刻がバーで表示するため、予定よりも進捗が遅れている作業(ボトルネック作業)を把握することができる。この可視化で、予定よりも早く進んでいる作業の人員を、ボトルネック作業の人員に回すなど、現場での人員配置を最適化できるという。

進捗・稼働監視システムの画面表示例
進捗・稼働監視システムの画面表示例
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