米IDCが現地時間2017年5月30日に公表したスマートフォン市場リポートによると、同年における世界の年間出荷台数は前年実績から3.0%増加する見通し。

 スマートフォンの世界出荷台数は2016年に同2.5%増となり、過去最低の伸びを記録した。しかし市場は2017年に回復し、年間出荷台数は15億2000万台に達するとIDCは見ている。この勢いはその後も続き、2018年の出荷台数は同4.5%増加する。スマートフォン市場は、新興国市場の景気回復や米Appleの新型iPhoneなど、相次ぎ市場投入される各社の主要モデルによって支えられると、IDCは予測する。

 同社によると、世界のスマートフォン利用者数はまだ人口の半数以下にとどまっており、中東・アフリカ地域、中・東欧、東南アジアで依然、成長の余地がある。また、消費者はスマートフォンにより多くのことを求めるようになっている。現在世界で利用されているスマートフォンは低価格端末が大部分を占めるが、多くの利用者は、より高機能製品を求めるようになっている。IDCはこうしたトレンドの要因として、メディア消費、ゲーム、AR(augmented reality、拡張現実)、VR(virtual reality、仮想現実)、インターネット接続環境の改善を挙げている。

 IDCが予測する2017年のOS別出荷台数シェアは、Androidが85.1%で、その前年比伸び率は3.5%。これにAppleのiOSが14.7%のシェアで次ぎ、前年比伸び率は3.8%になるとしている。

 一方、Windowsの出荷台数は、前年比で80.9%減少し、シェアはわずか0.1%にとどまる見通し。同OSには、新たなハードウエアパートナー、開発者の支持、OSを取り巻く熱気といったものがなく、回復の兆しは見られないとIDCは指摘している。

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