日本マイクロソフト(MS)は2017年5月26日、「Microsoft Surface」シリーズの3つの新製品を発表した。タブレットとキーボードを組み合わせた「Microsoft Surface Pro」、デスクトップ型の「Microsoft Surface Studio」を6月15日、ノートパソコン型の「Microsoft Surface Laptop」を7月20日に発売する。クリエイターやデザイナーの表現活動を支援するほか、学生や女性もターゲットとして取り込む狙いだ。

米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント マイクロソフトデバイス担当であるパノス・パネイ氏
米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント マイクロソフトデバイス担当であるパノス・パネイ氏
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 米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント マイクロソフト デバイス担当であるパノス・パネイ氏は、「ソフトウエアとハードウエアが融合することで、ユーザーにこれまでにない体験を提供することを可能にした。美しい名作、すなわち3Dのアニメやゴージャスなアート作品、作曲などの創作活動が実現できる」と述べる。

 同氏はキャリアの多くを日本で過ごしてきたこともあり、今回の新製品開発にあたって「日本の伝統にインスピレーションを得た。ものづくりの職人魂が、この製品には込められている」(パネイ氏)とした。

書道家の岸本亜泉氏の実演
書道家の岸本亜泉氏の実演
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 発表イベントでは、書道家の岸本亜泉氏が実演でSurface Proを使った書道のデモを披露した。「これまで墨、筆、和紙を使って書いていたものが、デジタルでここまでできるのかと驚いた。墨の繊細な滲み(にじみ)や筆のかすみまで表現できる」(岸本氏)。

 これらは、筆圧感知機能や傾き検知機能を搭載することで実現している。デジタルペンの「Surfaceペン」は4096段階に筆圧感知機能を強化し、傾き検知や21ミリ秒のレイテンシー性能を実現した。「新しい機械学習のアルゴリズムも搭載されている」(パネイ氏)。また、「Surface Dial」と呼ばれる入力デバイスも発表。Surfaceの画面上に置いて、右回転させたり左回転させたりすることで、筆の太さを調整したり、色を変更したり、作業の各段階に戻ったりできる。

 日本MSの平野拓也代表取締役社長は、新Surfaceを「持ち運びやすく安全性が高いため、働き方改革に最適のデバイスである」としたほか、大学生や女性向けとしても展開していくと述べた。

 学生をターゲットにすることについて、「デジタルネイティブな学生が増えている今、Surfaceは教育現場のデジタルトランスフォーメーションに貢献できる」と平野社長は述べる。デジタルペンとデジタルデバイスで学びの効率化を図るとした。

 Microsoft Surface Laptopは、教育機関向けOS「Windows 10 S」を搭載している。ゲストとして登壇した全国大学生活協同組合連合会の専務理事兼CEOの毎田伸一氏は、「ダウンロードしたPDFファイルに書き込みをしたり、ノートをシェアしたりしたいという学生の要望が高まっている。学生にとっても大学にとっても、Surfaceは力強い味方として非常に期待をしている」とコメントした。

マリメッコのデザインのSurface関連アクセサリ
マリメッコのデザインのSurface関連アクセサリ
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 また日本MSは、北欧ブランド「Marimekko」(マリメッコ)とのパートナーシップを組む。主に女性向けに、Surface ProとSurface Pro 4の背面に貼る専用シールを、6月15日からMicrosoftストアで販売する。

Microsoft Surface Proとデジタルペンの「Surfaceペン」
Microsoft Surface Proとデジタルペンの「Surfaceペン」
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 Microsoft Surface Proは、Surface Pro 4と比較して約20%性能を向上したという。OSは Windows 10 Pro。グラファイト技術を用いておりファンレス設計。バッテリー駆動時間は13.5時間で、キーストロークは1.3ミリ。ディスプレイは12.3型で、解像度は2736×1824ドット。Wi-Fiモデルに加え、2017年秋ごろにLTEモデルのリリースを予定する。重量は、Core m3モデルが約766g、Core i5/i7モデルが約786g。

 Microsoft Surface Studioは薄さ12.5mmの28型液晶一体型デスクトップPC。OSは Windows 10 Pro。ゼログラビティヒンジと呼ばれる機構を採用しており、ディスプレイの角度を簡単に調整することが可能。これにより、紙に書くようなリアルな感覚を実現するという。

 Microsoft Surface Laptopは13.5型のノートPC。OSはWindows 10 Sで、CPUはCore i5-7200U。メモリーが4GBまたは8GB、SSDは128GBまたは256GB。バッテリーで14.5時間の稼働が可能。ディスプレイの解像度は、2256×1504ドット。重量は約1252g。パームレストにはアルカンターラを使用している。

 税別価格は、一般向けがMicrosoft Surface Proは10万5800円から(タイプカバーは別売)、Microsoft Surface Studioは38万4800円から、Microsoft Surface Laptopは12万6800円から。法人向けがMicrosoft Surface Proは9万3800円から、Microsoft Surface Studioは37万2800円から。