ウェブ監視サービスのイー・ガーディアンは2017年5月23日、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの画像に含まれる物体を人工知能(AI)により検知するサービス「Kiducoo AI(キヅコウ エーアイ)」の提供を開始した。企業のマーケティング活動などで利用を想定し、APIにより提供を行う。

イー・ガーディアン 代表取締役社長の高谷康久氏
イー・ガーディアン 代表取締役社長の高谷康久氏
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 「Kiducoo AI」は、自社製品の消費動向を知りたい企業にとって有用という。例えば、ビールを販売する企業が自社銘柄の画像を学習データとして「Kiducoo AI」に入力すると、深層学習によりその銘柄がInstagramやTwitterの投稿画像に含まれるか検知できる。検知の結果を集計することで、企業はその銘柄に対するSNSユーザーの関心度を知ることができる。同社が特定銘柄のビールでテストしたところ、検知率は98.36%だったという。

 「Kiducoo AI」は複数の対象も認識できる。どの銘柄のビールがどの料理と一緒に写っているか、女性と男性のどちらが飲んでいるのか、その場所がレストランなのか自宅なのかも、用意する学習データ次第で判別できるという。企業はこのようなデータをマーケティング活動に利用できる。

 カスタマーサポートにも「Kiducoo AI」は有効だという。同社によれば、引っ越し業者が顧客の部屋画像を入力するだけで費用見積もりを作れるAIも構築できるという。冷蔵庫内の写真を送るだけで料理のレシピを提案するサービスも想定する。

 イー・ガーディアンは従来より、不適切なテキストの投稿を監視するシステム「E-Trident」や、有害な画像を検知するシステム「ROKA SOLUTION」を提供してきた。同社はこれらで培ったノウハウを「Kiducoo AI」に投入することで、新しい顧客の開拓を狙う。