米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2017年5月22日に公表したAR(拡張現実)とVR(仮想現実)の利用実態に関する調査によると、同年の米国におけるARの利用者数は4000万人となり、前年から30.2%増加する見通し。

 こうしたAR利用者の伸びは、主にSnapchatやFacebookなどで提供される写真/動画加工フィルターによって支えられると同社は見ている。Snapchatでは、自撮り写真/動画にアニメのような効果を追加できるフィルター「Lenses」を提供している。Facebookアプリでも、写真や動画が24時間で消えるStories機能で、同様の加工フィルターを提供している。eMarketerは、これら加工フィルターによるコンテンツも、現実の風景にデジタル情報を重ね合わせて表示することから、ARカテゴリーに入れている。

 2017年に何らかのARコンテンツを1カ月に1度以上利用する米国人は4000万人となり、同国人口の12.3%を占めるとeMarketerは見ている。この数は2019年には5440万人超となり、同国人口の16.4%を占める。2019年には同国インターネット利用者のほぼ5人に1人がARコンテンツを利用するとしている。

 一方、2017年に、VRコンテンツを1カ月に1度以上利用する米国人は2240万人で、前年から109.5%増加する見通し。同社はFacebookやYouTubeなどで提供される360度動画/写真をVRのカテゴリーに入れている。VRはARと比べて利用者が少ないものの、こちらの成長もソーシャルメディアのコンテンツによって支えられるとeMarketerは分析している。

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