米国の市場調査会社IDCが先ごろ公表したインドのスマートフォン市場に関するリポートによると、2017年第1四半期(1~3月)の同国における出荷台数は2700万台となり、前年同期から14.8%増加、前の四半期から4.7%増加した。インド市場は、これまで高額紙幣廃止に伴う消費の落ち込みがあったが、2017年第1四半期は回復が見られたという。

 また、インドのスマートフォン市場では中国メーカーが出荷台数を大きく伸ばしており、地場メーカーのシェアが低下している。2017年第1四半期における中国メーカーの出荷台数は、前年同期比142.6%増、前四半期比16.9%増となり、そのシェアは51.4%に拡大した。これに対し、インド地場メーカーのシェアは前年同期の40.5%から13.5%に低下した。

 2017年第1四半期のメーカー別出荷台数のシェアを見ると、韓国Samsung Electronicsが28.1%で首位となり、これに中国Xiaomi(小米科技)が14.2%が次いだ。3位以降は、中国vivo(維沃移動通信)の10.5%、中国Lenovo Group(聯想集団)の9.5%、中国Oppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)の9.3%と続いた。

 これに先立ちIDCが報告していた2016年第3四半期(7~9月)時点の上位5社は、Samsung、Lenovo、インドMicromax Informatics、Xiaomi、インドReliance Jio Infocommの順だった。

 IDCによると、インドでは中国メーカーが出荷台数を伸ばしたことで、製品の傾向に変化が表れている。例えば1年前に131ドルだった端末の平均販売価格は、2017年第1四半期は155ドルに上昇した。また同四半期に出荷されたスマートフォンの94.5%が4G通信対応となり、ほぼ50%が1300万ピクセル以上のカメラを搭載する。ディスプレーサイズが5インチ未満の端末の比率は、1年前の40.3%から21.2%に低下した。

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