WOWOW 代表取締役社長の田中晃氏は2017年5月16日の決算発表会見で、新たに作成した「中期経営計画(2017年度~2020年度)」(2017年5月15日に発表)の内容を報告、この中で「2018年度に放送の同時配信開始を計画している」と述べた。

WOWOW 代表取締役社長の田中晃氏
WOWOW 代表取締役社長の田中晃氏

 WOWOWは現在、加入者限定の無料番組配信サービスである「WOWOWメンバーズオンデマンド」を提供している。同サービスではサイマル配信もしくは見逃し配信の形で番組を視聴できるようにしており、「スポーツについてはかなりサイマル配信を実現できている」(田中社長)という。放送番組のうち配信の権利も確保しているものの割合は約70%というのが現状である。

 田中社長は、「配信の権利もあるコンテンツのカバー率100%を達成し、放送のサイマル配信を実現することで、顧客の多様化するライフスタイルに対応したい。WOWOWと契約すれば、どんな環境でも番組を楽しめる環境を整えてていきたい」と意欲を見せた。

 WOWOWは同時配信開始を踏まえ、2018年度からコンテンツに対する戦略的投資を行う。新しい中期経営計画(2017年度~2020年度)では、2018年度以降に20億円から40億円規模のコンテンツ強化費投入を盛り込んだ。

 説明終了後の質疑応答では、同時配信のサービスイメージについて、「WOWOWメンバーズオンデマンドの一つと位置付けるのか、別のサービスにするか、といった点については現在詰めているところ。WOWOWメンバーズオンデマンドと同様に放送契約を前提にした加入者向けサービスにするか、独自契約のサービスにするか、といった点についても同様」(田中社長)と述べた。

 会見終了後、同時配信の開始時期を2018年度とした理由について聞いた。田中社長は、「なるべく早く実施したいという思いがあった。準備に必要な期間を考慮し、2018年度の開始を目指すことにした」と説明した。

[「中期経営計画(2017年度~2020年度)」の発表資料(PDF)へ]