ワークスアプリケーションズと装着型ロボット開発のCYBERDYNE(サイバーダイン)は2017年5月15日、業務提携を発表した。サイバーダインが開発中の生体情報センサーとワークスアプリケーションズの統合基幹業務システム(ERP)を組み合わせ、従業員の生体情報を労務管理に利用するシステムなどを共同で開発する。本件にあたって両社は2017年4月末に資本提携を結び、サイバーダインがワークスアプリケーションズへ10億円を出資したという。

サイバーダインの山海嘉之代表取締役社長(左)、ワークスアプリケーションズの牧野正幸代表取締役最高経営責任者(右)
サイバーダインの山海嘉之代表取締役社長(左)、ワークスアプリケーションズの牧野正幸代表取締役最高経営責任者(右)
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 サイバーダインが開発している生体情報センサーは、呼吸や心拍を着衣のままで計測できる。これを職場に導入し、従業員が日常的に計測するデータをワークスアプリケーションズのERPに集めることで、企業は従業員の働き方を見える化できる。ストレスをためている従業員を見つけ、人事担当者に通知するなどの用途を想定する。商品化は2018年以降になるという。サイバーダインの山海嘉之社長兼CEO(最高経営責任者)は「生体情報が直接企業のネットワークにつながることで、企業は個人の健康に配慮した労務管理ができる」と語る。

 ワークスアプリケーションズは2015年12月より、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型で提供するERP「HUE(ヒュー)」を販売している。HUEの人工知能(AI)技術を活用し、サイバーダインのセンサーから集めた情報を解析することも視野に入れているという。

 今回の資本提携について、ワークスアプリケーションズの牧野正幸代表取締役CEOは「出資は我々がサイバーダインに依頼したもの。お互いの支配権を取りたいわけではない」と述べた。