米Appleの映像配信端末「Apple TV」で、米Amazon.comの映像配信サービス「Prime Video」が利用可能になる見通しだと、米BuzzFeedが現地時間2017年5月11日に報じた。AppleとAmazon.comの間で何らかの話し合いがまとまった可能性があるという。

 BuzzFeedによると、Appleは、6月5日に米カリフォルニア州サンノゼで開催する開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」の基調講演で、Amazon.comとの提携について発表する予定。この報道に先立ち、米Recodeは、AppleとAmazon.comが映像配信サービスに関して合意に近づいていると報じていたが、それが確実なものになったとBuzzFeedは伝えている。

 今夏にもApple TV内のアプリ配信サービス「App Store」にPrime Videoのアプリが登場する見通しだが、そのタイミングについては変更される可能性もあると、事情に詳しい関係者は話しているという。

 また両社の提携により、Amazon.comは2015年から自社eコマースサイトで中止していたApple TVの販売を再開するという。Amazon.comは2014年に自社の映像配信端末「Fire TV」を市場投入したあと、自社サイトでApple TVと米Googleの「Chromecast」の販売を中止した。

 その理由についてAmazon.comは当時、「Apple TVとChromecastでは、当社の映像配信サービスが容易に利用できず、消費者の混乱を招く」と説明していた。なお、Apple TVのApp StoreでAmazon.comの映像配信アプリを提供することは可能だが、Amazon.comは自社の経営判断で、あえてそうしなかったとみられている。Amazon.comは、Appleなどがアプリ事業者に課しているコンテンツ販売手数料を受け入れることができなかったのではないかと、米Macworldは伝えている。