TISは2017年5月10日、2017年3月期通期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.8%増の3933億9800万円、営業利益は同10.6%増の270億1900万円と増収増益だった。製造業や流通業を主な顧客とする「産業ITサービス」分野の成長が営業利益の伸びを支えた。

TISの桑野徹代表取締役社長(右)
TISの桑野徹代表取締役社長(右)
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 主力である同分野の売上高は前年同期比5.2%増の1894億900万円、営業利益は同25.3%増の124億9600万円だった。電力やガスの自由化を受け、エネルギー関連企業によるIT投資が伸びた。公共部門のIT投資も好調だった。

 「ITインフラストラクチャーサービス」分野の売上高は前年同期比0.5%増の1265億8100万円、営業利益は同13.8%増の101億5800万円だった。データセンター事業の堅調な推移とBPO事業の拡大が要因となった。

 「金融ITサービス」分野の売上高は前年同期比5.7%増の840億5100万円だった。クレジットカードなど決済関連へのIT投資が引き続き好調だった。「2020年に向け、モバイル決済などのIT投資が伸びるだろう」(TISの桑野徹代表取締役社長)。同分野の営業利益は前年同期比7.9%増の36億2600万円だった。

 2018年3月期の連結業績予想について、売上高は2017年3月期比1.7%増の4000億円、営業利益は同11%増の300億円とした。「金融ITサービス」分野を中心に増益を見込む。