米Facebookが英国の新聞にフェイクニュース拡散防止を啓発する広告を掲載したと、複数の米英メディアが現地時間2017年5月8に報じた。英国では総選挙を来月に控え、オンラインにおける虚偽情報拡散に対する懸念が高まっている。

 「Tips for Spotting False News(虚偽ニュースを見分けるコツ)」と題された広告は、英紙「Times」「Guardian」「Daily Telegraph」などに掲載された(英BBCの報道)。

 同広告では、衝撃的な見出しが付いた記事には疑いを持つこと、主要メディアを装っていないかURLを詳しく見ること、情報源が信頼できる媒体か確認することなど、10項目を挙げている。Facebookのヘルプページにも同内容のアドバイスが掲載されている。

 同社はまた、英国でのフェイクニュース拡散を阻止する目的でシステムを強化し、多数の偽プロフィールを削除したことも明らかにした。

 Facebookは削除したアカウント数を明らかにしていないが、英Guardianによれば、英国の登録ユーザーは3100万人以上という。

 FacebookをはじめとするSNSは、昨年の米大統領選で多数のフェイクニュースが蔓延したことなどから対策強化を迫られている。Facebookは昨年12月に、偽情報の拡散防止策として、ユーザーによる報告手段の簡素化と、外部チェック機関との協力による新たな手法のテストを開始した。ドイツにも同テストを拡大し、2017年3月に正式実装したとされている。

 フランスでは大統領選目前の4月に、不正アカウントを特定するためのシステム強化により3万以上の偽アカウントに対処している。

 またFacebookは、英国における総選挙期間中のオンラインコンテンツの検証について、英国のファクトチェック組織であるFull Factと協力することも明らかにした。

 なお同社は先週、動画を含む不適切なコンテンツの監視スタッフとして3000人を追加採用する計画を発表している(米New York Times)。