米IDCが現地時間2017年5月4日までにまとめたタブレット端末市場のリポートによると、2017年第1四半期(1~3月月)の世界出荷台数(速報値、以下同様)は3620万台にとどまり、前年同期から8.5%減少した。タブレット端末の世界出荷台数は10四半期連続で前年割れとなった。

 IDCによると、タブレットの市場は、米Appleが2010年に初代iPadを発売したことで誕生した。その後2013年まで、同市場は他の消費者向け電子機器にはなかった急激な伸びで成長したが、やがてピークに到達し、急速な減少が始まった。その主な要因は消費者のスマートフォンへの依存の高まりだと同社は分析している。

 IDCはタブレット市場を「スレート型」と呼ぶ従来型端末と、着脱式キーボードが用意されている「デタッチャブル型」の2つのカテゴリーに分けて分析している。そして、この2つのタブレットはまったく異なる方向に進んでいるという。前者のスレート型は2014年にピークに達し、現在は急減少中。この傾向は今後も続くとIDCは予測している。一方、デタッチャブル型の市場は引き続き成長しており、その多くはノートパソコンと共通点を持つ製品へと進化しつつあるという。

 2017年第1四半期の出荷台数をメーカー別に見ると、米Appleが890万台を出荷し、首位を維持したものの、前年同期から13.0%減少した。iPadシリーズの出荷台数は、13四半期連続で前年同期の実績を下回った。

 Appleに次いだのは韓国Samsung Electronicsの600万台で、同社の台数は同1.1%減少した。3位は、中国Huawei Technologies(華為技術)の270万台で、前年同期に比べたその台数変化は31.7%増。上位5社の中で台数が伸びたのはHuaweiだけだった。このあとは、米Amazon.comの220万台(同1.8%減)、中国Lenovo Group(聯想集団)の210万台(同3.8%減)と続いた。

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