メルカリを使った事実上の金銭のやり取りを狙う出品が止まらない。2017年4月27日には領収書が出品されているとSNSに投稿されて騒ぎになった。翌28日には現金書留でキャッシュバックをするとの出品があった。運営元は個人間取引の利点である自由さと、不正利用を防ぐ出品制限のバランスに頭を悩ませる。

 4月27日、一部のSNS上で無記名の領収書がメルカリに出品されていると話題になった。出品者や購入者の意図は不明だが、個人事業主が経費を計上して所得税の控除を受ける仕組みを悪用し、脱税を図る目的で使われる恐れがある。

 運営元のメルカリによれば、サービス開始当初から領収書の出品を禁止しており、利用規約にも記載していた。従来の監視体制に沿って、見つけ次第削除している。ここへ来てネット上で話題になったのは、現金の出品禁止騒動に便乗したいたずらに近い投稿だった可能性があるという。

1万3000円の品に1万円のキャッシュバックをうたったとみられる出品も
1万3000円の品に1万円のキャッシュバックをうたったとみられる出品も
(出所:メルカリ)
[画像のクリックで拡大表示]

 4月28日には「1万3500円のパワーストーンを購入したら現金1万円をキャッシュバックする」といった出品も確認できた。購入額に比べてキャッシュバック額が不自然に大きいうえに、現金を現金書留で郵送するという。既に買われたものもあった。これについてメルカリは、利用規約に違反するとして削除対象に加えた。

 メルカリは現金そのものや換金目的の出品が相次いだ事態を重く見て、監視や削除の体制を強化する方針を打ち出している。