新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)は2017年4月28日、2017年3月期の通期決算を発表した。売上高は前年同期比6%増の2325億円、営業利益は同12%増の215億円と増収増益だった。製造業や官公庁向けの受注が好調だったほか、クラウドなどのITインフラの需要が堅調だった。

新日鉄住金ソリューションズの2017年3月期通期決算の主な業績
新日鉄住金ソリューションズの2017年3月期通期決算の主な業績
(出所:新日鉄住金ソリューションズ)
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 業務ソリューション事業では「産業・流通・サービス」「金融」「公共公益他」分野などで前年同期の実績を上回った。特に公共公益分野では、官公庁向けの大型案件を受注したことで売上高が前年同期比65億円増の343億円と増収した。

 そのほか、産業・流通・サービス分野では製造業向けのPLM(製品ライフサイクル管理)製品の需要が堅調で、売上高が前年同期比9億円増の554億円と増収。金融分野ではメガバンク向けの需要が減少したものの、証券業向け製品が好調に推移したことから売上高が同10億円増の371億円となった。

 サービスソリューション事業でも、クラウドサービスなどITインフラ需要が増収に貢献した。ITインフラ分野では、デスクトップ仮想化サービスであるDaaS(デスクトップ・アズ・ア・サービス)向けシステムの需要が増え、売上高が前年同期比34億円増の304億円だった。

 会見で同社の謝敷宗敬社長は「製造業を中心にIT投資が活発に推移している。2017年3月期は円高などマイナス要因を見込んでいたが、需要は活発だった。2018年3月期も産業・流通・サービス分野で成長が期待できる。そのほかにDaaSなどのクラウドサービスの投資も堅調だ」と自信を示した。

 2018年3月期通期の業績予想は売上高が前年同期比1.1%増の2350億円、営業利益は同5.4%増の227億円と増収増益を見込む。製造業では引き続きPLM製品や生産管理などのシステム投資が堅調に推移するとみる。クラウドなどITインフラ向けの売上高も継続して増加する見込みだ。一方、新日鉄住金向けのシステム統合プロジェクトが2017年3月期に完了したことなどから、鉄鋼分野の売上高は49億円減収するとみている。