米IDCが現地時間2017年4月27日に公表した世界スマートフォン市場リポートによると、同年第1四半期(1~3月期)の出荷台数(速報値)は3億4740万台となり、 前年同期から4.3%増加した。

 IDCは事前の予測で、第1四半期の出荷台数伸び率が3.6%になると見ていたが、結果はこれを若干上回るものなった。消費者の需要は引き続き旺盛で、主要メーカーは相次ぎ旗艦モデルを発表するなど、市場は勢いを増しているという。

 IDCによると、世界のスマートフォン市場は2016年に、その成長率が初めて1桁台へと低下するなど、同年は転換点を迎えた年だった。しかし同社は、市場が2017年に回復すると見ている。第1四半期の結果はそれを裏付けるものになったという。

 ただ、市場の成長要因を詳しく見ると、けん引役は、米Appleや韓国Samsung Electronicsではなく、中国のメーカーだという。Huawei Technologies(華為技術)、Oppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)、vivo(維沃移動通信)の出荷台数伸び率はいずれも市場全体のそれを大きく上回っている。この3社は新たな市場でシェアを拡大しており、この傾向は今後も続く可能性が高いとIDCは分析している。

 2017年第1四半期の出荷台数をメーカー別に見ると、Samsungが7920万台で最も多く、これにAppleが5160万台で次いだ。3位から5位までは、前述の中国3社で、Huaweiが3420万台、Oppoが2560万台、vivoが1810万台。

 このうち、首位Samsungの出荷台数は前年同期とほぼ変わらず、Appleは前年同期比0.8%増だった。これに対し、Huaweiは同21.7%増、Oppoは同29.8%増、vivoは同23.6%増と、高い伸び率となった。

 Oppoはvivoはアジア以外ではあまり名の知られていないメーカー。だがIDCによると、Oppoはカメラ機能を重視した中価格帯の「R9」が中国市場で好調に売れている。vivoは、インドや東南アジアでマーケティングや顧客サポートに力を入れ、販売を伸ばしている。

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