レッドハットは2017年4月25日、サーバーの設定・運用を自動化するツール「Ansible Tower by Red Hat」の販売戦略を発表した。システム開発の効率を高めるだけでなく、企業のシステム機器全般を自動で運用できるツールとして売り込む。

 Ansible Towerはネットワークスイッチやサーバーのソフトを遠隔から操作できる設定・運用の自動化ツールだ。オープンソースソフトウエア(OSS)「Ansible」に、利用者ごとに操作を制限する権限管理機能や操作履歴を確認できる監査機能を追加している。

 米レッドハットのティム・イェートン エグゼクティブバイスプレジデント兼CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)は「Ansible Towerは企業が持つIT機器を全て管理できるポテンシャルがある」と話した。Ansible Towerはネットワークスイッチやサーバーといった機器にソフトをインストールせずに、遠隔から設定をしたりコマンドを実行したりできる。ソフトがインストールできない古い機器も管理できることから「開発チームから導入を初めて、社内のインフラ全体に広げられる」(イェートン氏)という。

米レッドハットのティム・イェートン エグゼクティブバイスプレジデント兼CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)
米レッドハットのティム・イェートン エグゼクティブバイスプレジデント兼CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)
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 中村誠プロダクトソリューション本部クラウドビジネスデベロップメントマネージャーは「金融や通信事業者といった、権限管理や監査機能のニーズが強い業種に売り込んでいく」と話した。2020年までの販売目標は、200システム。価格は管理するノードに依存して、100ノードを管理する最小構成が年額130万円(税別)だ。

レッドハットの中村誠プロダクトソリューション本部クラウドビジネスデベロップメントマネージャー
レッドハットの中村誠プロダクトソリューション本部クラウドビジネスデベロップメントマネージャー
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 戦略発表に合わせてレッドハットはAnsible Towerの開発計画を明かした。コンテナ基盤の構築ソフト「OpenShift」にAnsible Towerの機能を移植して、OpenShiftのコンテナ自動構築機能を強化する。「レッドハットの既存製品とAnsibleが連携することで、既存製品の価値が高められる」(米レッドハットのティム・クレイマーAnsible&Insightsソフトウェアエンジニアリングシニアディレクター)。

米レッドハットのティム・クレイマーAnsible&Insightsソフトウェアエンジニアリングシニアディレクター
米レッドハットのティム・クレイマーAnsible&Insightsソフトウェアエンジニアリングシニアディレクター
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