新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)と日本オラクルは2017年4月25日、NSSOLのサービスでオラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud」を使うと発表した。NSSOLは自社ブランドのクラウドサービスにOracle Cloudを組み込んで販売する。

日本オラクルの石積尚幸執行役副社長クラウド・テクノロジー事業統括(左)と新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)の大城卓取締役常務執行役員(右)
日本オラクルの石積尚幸執行役副社長クラウド・テクノロジー事業統括(左)と新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)の大城卓取締役常務執行役員(右)
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 NSSOLはオラクルのクラウド専用機「Oracle Cloud Machine」を使って自社サービスにOracle Cloudを組み込む。Oracle Cloud MachineはOracle Cloudと同様の機能を備え、月額料金制で導入できるハードウエアだ。NSSOLが運営するサーバー専有型クラウドサービス「absonne(アブソンヌ)」でOracle Cloud Machineが1台単位で使えるようになる。

Oracle Cloud Machineの外観
Oracle Cloud Machineの外観
(出所:日本オラクル)
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 日本オラクルの石積尚幸執行役副社長クラウド・テクノロジー事業統括は「開発用途や負荷が変動するシステムでOracle Databaseを従量課金制で使いたいという声が多い」と話す。アブソンヌはOracle Cloud Machineを導入することで、ライセンス料込みの月額利用料でOracle Databaseなどが使えるようになる。

 従来、アブソンヌでOracle Databaseを使う場合は利用企業がOracle Databaseの永続ライセンスを購入する必要があった。ライセンス規定により、Oracle Databaseを物理サーバーに導入してアブソンヌから使えるように接続するといったインフラの構築作業も必要だった。

 NSSOLがアブソンヌを使って販売するインフラ運用・管理のアウトソーシングサービス「NSFITOS」は、修正パッチの適用やサービスのバージョンアップといったメンテナンスを顧客の要望に合わせたタイミングでNSSOLが実施する。NSSOLの大城卓取締役常務執行役員は「パッチ適用のタイミングなどが選べないとシステムの安定運用に影響することがある」と話す。

 NSSOLはオラクルのパートナープログラム「Oracle Cloud Managed Service Provider(MSP)プログラム」の認定を受けたため、Oracle Cloud Machineに修正パッチを適用するなどの運用作業もNSSOLが実施できるようになった。MSPプログラムの認定企業はNECに続いて2社目。

 NSSOLはアブソンヌから提供するOracle Cloud Machineの目標販売台数を年間5台とする。顧客のオンプレミスにOracle Cloud Machineを導入する販売形態も用意していて、こちらは5台弱の契約が決まっているという。