米Appleの自動運転車プロジェクトの試験走行では、より経験豊富なエンジニアをテストドライバーとして乗車させるようだと、米Wall Street Journal(全文閲覧には有料登録が必要)が現地時間2017年4月24日に報じた。その中には米航空宇宙局(NASA)出身者などが含まれる。

 Appleは、米カリフォルニア州車両管理局(DMV)に申請していた自動運転車の公道テストが4月14日に認可されたことが明らかになっている。

 同テストでは、ソフトウエアやハードウエアを組み込んで改造したSUV「Lexus RX 450h」を使用し、6人のドライバーが乗車して走行状態を監視しながら、緊急時には手動で対処する。

 米AppleInsiderによると、テストドライバーのうち4人がNASA出身者で、1人はドイツRobert Boschで初期段階の自動運転車開発プロジェクトにも関わった経歴を持つ。残り3人は、NASAジェット推進研究所(JPL)においてロボットの運動計画アルゴリズムなどについて研究していた。

 カリフォルニアDMVが公開した書類を入手した米Business Insiderによれば、テストドライバーは公道走行前に7つのテストに合格する必要があり、低速および高速運転、急激なUターン、急加速、急ブレーキ、急なハンドル操作が含まれる。

 また米Bloombergは、NASA JPLでVR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術を利用して宇宙船やロボットを操作する方法を開発するチームを率いていたJeff Norris氏を、Appleが採用していたことが分かったと報じている。

 Norris氏はAppleのARチームに上級マネージャーとして加わった。同チームは米Dolby Labsの元幹部であるMike Rockwell氏が責任者を務め、ARメガネと、iPhoneの将来モデルに搭載する関連機能の開発に取り組んでいるという。