楽天は2017年4月24日、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の全所属クラブのグッズを販売するEC(電子商取引)サイトを7月中旬に立ち上げると発表した。J1からJ3まで全54クラブのタオルやレプリカのユニフォーム、キーホルダーなど公式グッズを取り扱う。楽天がECシステムの運営から物流、顧客サポートまで一括して代行する。

 Jリーグと「JリーグオフィシャルECプラットフォームパートナー」契約を結ぶことに合意した。現在スマートフォンのカバーなど受注生産型の商品を扱っている「Jリーグオンラインストア」を7月中旬に刷新する。新サイトでは楽天が各クラブから商品を預かって販売する委託販売形式とする。各クラブの専用ページに掲載するコンテンツの作成や決済機能、在庫・物流、消費者窓口を楽天が請け負うため、各クラブは商品を楽天に預けるだけで済む。

 決済手段を複数用意する。楽天IDを利用して決済し、楽天スーパーポイントを貯めたり購入代金に充てたりすることも可能にする。楽天は楽天市場など楽天グループのサイトからの集客や、購買のビッグデータを活用したデジタルマーケティングを通じて潜在的なファン層の開拓につなげる。

Jリーグの村井満チェアマン(左)と楽天の三木谷浩史会長兼社長
Jリーグの村井満チェアマン(左)と楽天の三木谷浩史会長兼社長
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 同日、楽天とJリーグは東京都内で共同会見を開いた。楽天の三木谷浩史会長兼社長は「海外ではリーグ全体で(商品の発注や仕入れ、在庫などを一元管理する)マーチャンダイジングを束ねるのが大きな潮流になっている。Jリーグでも、ECを集約することでさらなる集客力が生まれる」と、新たなECサイトの意義を強調した。Jリーグの村井満チェアマンは「これまでも電子チケットや動画配信など、クラブ同士をつなぐデジタルプラットフォームを一つひとつ構築してきた。国内EC最大手の楽天と組むことで(ECという)最後のピースをそろえられる」と語った。