米AppleがAR(拡張現実)関連の製品を開発しているという噂の真相を知る手がかりが、同社社内から漏れた文書の中から見つかったと米Gizmodoが現地時間2017年4月20日に報じた。

 それによると、これは労働災害に関する内部文書。2017年4月14日に、Apple保健安全部門の担当者が誤って数百人のApple社員に送付したが、Gizmodoがそれを入手したという。文書には同年2月から3月にかけてAppleで起きた、70件以上の事故・事象が記されている。中には、社内のカフェテリアで働くスタッフが、オーブンで火傷した事故など、Apple製品とは関わりのないと考えられるものも多くあるが、そのうちの2件については、AppleのAR関連製品を示唆するものだとGizmodoは伝えている。

 1つは、2月にプロトタイプを試験していた女性社員が、試験中にレーザー閃光を見るなど、目に不快感を覚えたというもの。この女性社員は上司にそのことを告げた。上司は眼科医の診察を受けるよう指示し、プロトタイプの分析を行うことにしたという。

 もう1つは、新しいプロトタイプを試験していた男性社員が、目に痛みを訴えたというもの。プロトタイプのケースにあった安全封止部分が壊れていたことから、その社員は目の痛みとの間に関連性があると考えているという。

 この社内文書には、これらのプロトタイプが実際にどういうものであるかといったことは記されていない。しかし、Gizmodoが知る情報筋は、Appleが社内で開発しているAR用眼鏡製品と関連があると推測している。

 AppleがこうしたAR用眼鏡のプロジェクトを進めているという報道はこれまでにもあった。米AppleInsiderや米BGRなどは、2017年2月、Appleが開発中のAR用眼鏡は、早ければ年内にも発表される可能性があると伝えていた。また、米Bloombergは2016年11月、Appleがすでにサプライヤーの1社に対し、試験を目的としたディスプレー部品を発注したと伝えていた。