米Appleは、環境に関する取り組みを報告するWebサイトを現地時間2017年4月20日までに更新し、再生可能な材料だけで製品を作ることを目指すと表明した。

 同サイトでは、Appleが「いつか天然資源の採掘に頼らず、リサイクル材料だけで新製品を作れるようになることを願い、そのために取り組んでいる」と記載されている。

 Appleは、最新の環境配慮報告書(PDF文書)の中で、取り組みの一環としてリサイクルロボット「Liam」やリサイクルプログラム「Apple Renew」などを挙げた。

 同社は古いApple製品からアルミや銅、すず、コバルトなどを取り出し、新しい製品に再利用する方法を試すなど、「クローズドループ」型サプライチェーンへの移行を図っているという。

 Appleの環境、方針、社会活動担当バイスプレジデントを務めるLisa Jackson氏は、米紙「VICE」のインタビューで、「我々は実のところ、滅多にやらないことをしている。それは、目標達成の解決策を完全に決める前に目標を公表することだ。そのため少しばかり不安はあるが、これは非常に重要なことだ」と述べている。

 なお環境配慮報告書によると、Appleは現在、世界中の同社データセンターで使用する電力の100%と、同社施設で使用する電力の95%を、太陽光、水力、風力などの再生可能エネルギーでまかなっている。

 同社製品のパッケージは、99%が再生紙と責任ある調達方法のバージンパルプで作られている。責任ある調達方法とは、環境に配慮した厳しい基準とプログラムを通じて調達していることを指す。

 こうした活動は、環境にとって良いだけでなく、Apple自身にとってもプラスになると、米AppleInsiderは指摘している。Appleをはじめとする技術製品メーカーに対しては、児童労働が問題視されているコンゴの鉱山で採掘されたコバルトを使っていることで、非難の声が上がっていた。