日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2017年4月19日、「企業IT動向調査2017」の報告会を開催した。JUASの宮下清常務理事は「ビジネスのデジタル化に向けIT部門が挑戦している姿が浮かび上がった」と調査結果を総評する。

 「情報セキュリティ対策や情報基盤のレガシー化、IT人材高齢化といった様々な課題解決が求められている。その一方で、人口知能やIoT(インターネット・オブ・シングズ)など急速に進化するテクノロジーへの対応も急務。経営層やユーザー部門と連携してビジネスのデジタル化を推進できるか、2016年から2017年がターニングポイントになる」と宮下常務理事は説明する(写真)。

写真●「企業IT動向調査2017」報告会の様子
写真●「企業IT動向調査2017」報告会の様子
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 報告会では11人の調査委員が、調査結果のポイントを解説した。例えば、「売上高1兆円以上の企業では半数近くがビジネスのデジタル化を進めている」「ビジネスのデジタル化では4割の企業が新たなITベンダーを開拓している」「業務プロセス効率化などの経営課題は例年と変わらないが、そのために使われるITがAIやIoTなどに進化している」「ITを活用したワークスタイル改革は始まったばかり。IT部門が果たすべき役割は提案力」「災害対策だけでなくセキュリティ面でのBCP(事業継続計画)の重要性が高まっている」「IT部門の要員数は4年連続で増加」といった内容が報告された。

 JUASはこうした調査結果のダイジェスト版を、4月末をメドにJUASのWebサイトで公開する予定だ。調査結果の一部については、すでに速報値を公開している(関連記事1関連記事2関連記事3関連記事4)。業種や企業規模、ビジネスのデジタル化進捗状況などの切り口で詳細に分析した結果は、5月10日発売予定の「企業IT動向調査報告書2017」に収録する。

「企業IT動向調査2017」Webサイト