米Appleが2017年に発売する予定のiPhoneの10周年モデル「iPhone 8(通称)」には、指紋認証機能「Touch ID」が搭載されない可能性があると、米Mac Rumors米BGRなどの海外メディアが現地時間2017年4月17日までに報じた。

 これは、米Pacific Crest Securitiesのアナリスト、Andy Hargreaves氏が4月16日付で顧客向けに出した調査ノートで報告したもの。それによると、Appleが次期iPhoneのOLED(有機EL)ディスプレー表面下に組み込む予定の光学式指紋認証センサーには製造上の問題があり、これを実現するのが困難な状況にあるという。

 Appleは引き続きこの問題に取り組むことから、やがては解決されるとものと考えられるが、その場合、OLEDディスプレー搭載モデルの発売時期が遅れる可能性があると同氏は報告している。

 ただ、もしAppleがこの問題を解決できない場合、同社はOLEDディスプレー搭載iPhoneにTouch IDを搭載せず、これに代え、前面カメラ(FaceTimeカメラ)に組み込まれる顔認証や虹彩認証技術で、各種の認証機能を実現することになるという。これらを実現するための3Dセンサー技術はまだその信頼性が証明されていない。しかしAppleの3Dセンサー技術の開発状況は順調に進んでいると見られており、実現可能な代替機能になる可能性があるとHargreaves氏は報告している。

 同氏は調査ノートで、「サプライヤーは、Appleの3Dセンサー技術について、高速で信頼性が高いことを示唆している。もし、その正確性と信頼性が確認できれば、3Dセンサーを使った生体認証は、現在普及している指紋認証に取って代わる革新的な機能になる」と述べている。