日本マイクロソフトは2017年4月17日、同社の働き方改革について最新の取り組みを発表した。2017年6月に「働き方改革推進会社ネットワーク」(仮称)を設置し、趣旨に賛同する企業と改革推進のネットワークを作る計画という。同社は記者会見で、働き方改革に向けたOffice 365の活用手法を説明し、Office 365の利用状況を解析する「MyAnalytics」を使って会議の時間を減らした社内事例を紹介した。

写真●日本マイクロソフトの平野拓也社長
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 平野拓也社長は「日本マイクロソフトが働き方改革のリーディングカンパニーとなる」と語る。労働時間の削減が社会的な課題となるなか、経営者には売り上げや利益と同様に社員の労働環境の改善が求められている。米マイクロソフトの調査によれば、働く環境のデジタル化について、日本企業はアジア各国と比べ経営者の認識や会社の支援が大幅に遅れているという。日本マイクロソフトは同社のオフィス製品を利用した働き方改革を企業に提案することで、改革に貢献する考えだ。

写真●日本とアジア諸国の経営者マインドの違い
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 「MyAnalytics」は従業員によるOffice 365の利用状況を記録する。メールの送信時刻や開封時刻などをビッグデータとして集約し、人工知能(AI)が分析して働き方の問題点を指摘する。

 例えば、ある会議中に多数のメールを送信する傾向がある従業員には、AIが会議への出席を再考するように促す。メールを送信した従業員に対し、メールの開封率や受信者が本文の閲覧に要した時間を知らせることもできる。送信者は受信者の反応に応じてメールの内容を改善するきっかけを得る。

 平野社長は「私たちのAIは内職を発見できる」と半ば冗談のように語る。「内職を発見したとしても、AIは従業員に指示を下すわけではない。あくまで従業員に新しい気付きを与える存在であり、それが働き方改革につながる」(平野氏)。日本マイクロソフトはMyAnalyticsを使った社内検証プロジェクトを実施し、一部の部署では会議の時間を27%削減できたという。

写真●MyAnalyticsによる社内検証プロジェクトの成果
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