日本AMDは2017年4月14日、同社の新型CPU「Ryzen(ライゼン)」の報道関係者向け説明会を開催した。同社は3月に高性能PC向けのRyzen 7を発売した後、4月11日にはミドルクラスのRyzen 5も発売してラインアップを拡大。説明会では、Ryzen 5の位置付けや米インテル製CPUに対する優位性を解説した。
Ryzenは、新設計の「Zenアーキテクチャー」を採用したPC向けのCPU。3月に出したRyzen 7は、同社が「エンスージアスト(熱心な)ユーザー向け」とする8コア/16スレッド(スレッドはプログラムの実行範囲の1種)のモデル。4月11日に出したRyzen 5は、4コア/8スレッドまたは6コア/12スレッドのモデルで、Ryzen 7よりも低い価格帯で販売する。
説明会では、まず、日本AMDジャパンセールスマネージャーの末崎 秀昭氏が登壇した。末崎氏は「今までの製品は競合他社の性能に及ばなかったが、Ryzenシリーズは競合を上回る性能がある」とアピール。3月発売のRyzen 7によって「市場の反応がガラッと変わった。高性能デスクトップPC市場全体に刺激を与えた」と述べた。
Ryzenシリーズは、CPUに内蔵した多数のセンサーからのデータを利用して、動作周波数や電力を動作状況に応じて最適化する「SenseMIテクノロジー」を搭載している。末崎氏は「ストレスは無く、快適さを感じ取れる」と機能面での優位性も強調。「2017年はRyzen以外にも多くの製品を投入する。」と今後の製品展開に期待を持たせた。
続いて、米AMD Desktop Processor Marketing ManagerのDon Woligroski氏が登壇し、Ryzen 7の3モデルとRyzen 5の4モデルについて説明した。
Don Woligroski氏によると、Ryzen 7で競合に対する優位性は示せたものの、この価格帯の市場はCPUの出荷数そのものが少ないという。一方、CPU単体価格が300ドル以下の市場は、Ryzen 7の価格帯の市場に比べて規模が2倍。Ryzen 5はそうしたより大きな市場に向けて出した製品であるとした。