2017年4月11日、ルワンダにおける小学生向けプログラミング講座の報告会「PeaceTech最前線~ルワンダでの挑戦~」が行われた(写真1)。3月27日から10日間の講座を主催したのは、サイバーエージェントが運営する小学生向けプログラミングスクールを運営する「CA Tech Kids」と「エドテックグローバル」の2団体。11日の報告会では、その背景や成果が紹介された。
今回の講座は、単にプログラミングを教えるのではなく、「ICTにより争いの原因をなくし、平和を実現しようという”PeaceTech”のマインドセットを養うのが狙いの一つ」(エドテックグローバル代表理事の金野索一氏)という。そのため講座では、プログラミング学習に1日2時間を費やすほかに、「相手を否定しない」といった協調作業に必要な心がけなどを養う「ピースフルマインド」講座も1時間設けている。
プログラミング講座では、CA Tech Kidsが日本の講座で使っているワークブックを英訳し、それを教材としている。エドテックグローバルの若手スタッフが2週間トレーニングを受け、この教材を基に講座を進めた。講座の開発物は、日本での講座と同様、ゲームである。報告会では、数人の小学生の作品が、開発者のビデオメッセージとともに紹介された(写真2)。
金野氏によると、ルワンダは学校に1人1台のノートPCを用意して情報リテラシーを高めるなどして、「アフリカにおけるシンガポールのようなポジション」を目指しているのだという。
この日の報告会では、ルワンダにおけるICT教育環境が紹介された。それによると、「1人1台のノートPCを用意したものの、教える先生や授業が少なく、ゲームを楽しむだけの子が多い」ということで、金野氏やCA Tech Kids代表取締役社長の上野朝大氏ら関係者は、今回の講座がPCを能動的に活用するきっかけになってほしいとの期待を述べた。