ケイ・オプティコムとNECは2017年4月11日、NFV(ネットワーク機能仮想化技術)と10G-EPON技術を組み合わせた実証実験を2017年3月に実施、10Gbpsインターネット接続回線にvCPE(Virtualized Customer Premises Equipment、宅内通信機器の仮想化)を適用できることを確認したと発表した。

 今回の実証実験では、NECが構築したvCPEを含む実験環境を、ケイ・オプティコムのネットワーク上の仮想化プラットフォームに実現させ、10Gbpsインターネット接続回線に適用できることを確認した。

 vCPEは、DHCPやNATなどの上位レイヤの機能をデータセンター(クラウド)からインターネットを経由して提供する。これにより、ホームゲートウエイを簡素化しながら、vCPEで実現できる世界感として、vSTB(VOD配信)、vNAS(クラウドウトレージ)、ペアレンタルロック、遠隔診断を挙げる。

 例えば、vSTBに関連しては、クラウド上にvSTBを配置し、ネットワーク経由でVODを実現する。宅内にSTBは不要となり、DLNA対応TVやスマホを組み合わせることで、各種端末から同時に動画閲覧が可能になる。

図1●vSTB
図1●vSTB
(発表資料から)
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 vNASの関連では、クラウド上のストレージにネットワーク経由でデータ保存することで、必要に応じてパソコンやスマホから家庭内で誰でもストレージを使用することが可能となる。サービス加入だけで世帯丸ごとストレージが使用できる。ユーザー単位の認証が不要で、OTTサービスとの差異化が可能になるとする。

図2●vNAS
図2●vNAS
(発表資料から)
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 ケイ・オプティコムは、「このような世界はプロバイダー一体型のeo光だからこそ実現可能」と、自らの優位性を強調する。

 ケイ・オプティコムは2016年9月に、上下10Gbps対応のインターネット接続回線のモニターを募集し、モニター宅に向けてサービスを提供してきた。今後は、今回の実証実験を踏まえて、2017年秋ごろからフィールドテストを行い、10Gbpsインターネット接続回線へのvCPEの本格適用に向けてNECと引き続き検証を実施する方針。

 将来的には、vCPEを活用した「ストレージサービス」「遠隔診断」などの具現化、宅内IoT普及に向けたサービス化の加速、このプラットフォームの開放による各種IoT事業者との連携なども検討していく。

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