米マイクロソフトは2017年4月7日、音声・テキストチャットツール「Skype」の翻訳機能を拡充したと発表した。新たに日本語の「リアルタイム会話翻訳」機能を追加。英語やフランス語、ドイツ語など9言語と日本語との間を同時通訳しながら会話できるようになった。

 同社は深層学習(ディープラーニング)を採用した新しい翻訳アルゴリズムを開発しており、これをSkypeに適用した。

 「Windows PC版」「Windows 10 プレビュー版」のSkypeアプリをダウンロードすると利用できる(写真1)。Web版でも利用可能。スマートフォン版のSkypeアプリについては、後日対応するとしている。

写真1●Skypeのリアルタイム会話翻訳機能の使い方。アプリは最新版にアップデートしておく必要がある
写真1●Skypeのリアルタイム会話翻訳機能の使い方。アプリは最新版にアップデートしておく必要がある
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 報道関係者向けの体験会で、英語を話す日本マイクロソフトのスタッフと会話してみた。記者が日本語で話すと、英語に翻訳され、相手に音声で伝わる。相手が英語で話した内容は日本語に翻訳され、音声合成で再生される。翻訳内容は画面上にテキストでも表示される。

 「桜は見に行きましたか?」と話すと、きちんと英語に翻訳されて伝わり、「2回行きました」という答えが返ってきた(写真2)。続けて「どこへ行きましたか?」と聞いたところ、「Komagome and Nakameguro」という相手の声が聞こえてきたが、翻訳された音声は地名とは全く関係ない内容だった。固有名詞は翻訳しにくいようだ(写真3)。

写真2●日本語を話す筆者が英語を話す女性と会話しているところ
写真2●日本語を話す筆者が英語を話す女性と会話しているところ
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写真3●桜を見に「どこへ行きましたか?」という質問に対して地名が出てきたところで、会話がかみ合わなくなった
写真3●桜を見に「どこへ行きましたか?」という質問に対して地名が出てきたところで、会話がかみ合わなくなった
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 「どんな料理が好きですか?」と聞いたところ、「Japanese and Italian」という声が聞こえてきたが、翻訳されたのは「日本語とイタリア語」だった。同じ単語に複数の意味がある場合、文脈に応じた翻訳がうまくいかないことがあるようだ。

 細かいところで気になる点はあったものの、おおむね会話が成立した。