ネットワンシステムズは2017年4月5日、プライベートクラウドやパブリッククラウドが混在したIT環境を、単一のクラウドのように一元的に管理するための機能群をパッケージ化したソフトウエア製品「SD-HCI」(ソフトウエアデファインド-ハイパーコンバージドインフラストイラクチャー)を発表した。
価格(税別)は、ライセンスのみで2000万円から。ネットワンシステムズの子会社であるネットワンコネクトが、2017年7月から販売する。販売目標は初年度25億円。親会社のネットワンシステムズは、SD-HCIにネットワーク機器や周辺サービスなどを組み合わせてネットワーク構築サービスとして提供する。
ネットワンコネクトは、SD-HCIを開発するためにネットワンシステムズが2017年4月に設立した企業である。設立の背景には、ネットワンシステムズ、アリスタネットワークスジャパン、ヴイエムウェアの3社による提携がある。
ネットワーク機器の設定とネットワーク構築を簡素化するソフト
SD-HCIは、米アリスタ・ネットワークスのネットワーク制御ソフト「Arista CloudVision」と、米ヴイエムウェアのネットワーク仮想化ソフト「VMware NSX」をベースとする。ネットワンコネクトは、UI(ユーザーインタフェース)などを追加開発して、これらのソフトウエアを簡単に使えるようにパッケージ化している。
Arista CloudVisionは、アリスタ・ネットワークスのスイッチに対する設定を、リモートからAPIを介して集中制御するソフト。クラウド運用ソフトなどから、APIを介してネットワークの構成を簡単に設定、変更できる。ハードウエア機器だけでなく、仮想環境で動作する「Arista vEOS」も制御できる。
VMware NSXは、VXLANによるオーバーレイ型のSDN(ソフトウエアデファインドネットワーキング)を実現できる。具体的には、IPネットワークを介して接続した拠点間にまたがるレイヤー2ネットワークを実現できる。さらに、負荷分散装置などのNFV(ネットワークファンクションバーチャライゼーション)も提供する。
クラウド間接続/SD-WANやセキュリティー機能なども順次提供
SD-HCIの第一弾機能は、2017年7月に提供開始する。Arista CloudVisionとVMware NSXの機能を利用して、プライベートクラウドのネットワーク構築を簡易にする機能を提供する。
その後もSD-HCIの機能を強化する。例えば、ネットワンシステムズの「クラウドHUBサービス」と連携した、クラウド間接続の機能を提供する。SD-WANによる拠点間接続の機能も提供する。セキュリティー機能や、利用状況を可視化する機能も提供する。