エイベックス・ベンチャーズは2017年4月4日、ベンチャー企業がエイベックスグループ向けに新事業を提案するイベント「avex Enter-Tech Pitch」を開催した(写真1)。同社は2016年11月に設立されたコーポレートVC(ベンチャー・キャピタル)であり、今回のイベントは連携先や投資先を開拓するのが狙いだ。

写真1 エイベックス・グループの社員らが参加した
写真1 エイベックス・グループの社員らが参加した
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 同イベントには、「エンターテック」と呼ばれるエンターテインメント向けの技術を持つベンチャー企業7社が登壇した。7社が保有する技術やサービスは、VR(仮想現実感)やブロックチェーン、ウエアラブルデバイスなどさまざまで、それらを活用し、エイベックスとの共存共栄が図れる事業モデル案を披露した。

 例えば、数千規模のユーザーが参加できるVRライブ空間を提供するクラスターは、パブリックビューイングのような多人数参加型のバーチャルライブを作っていきたいと提案した。

 グループ内での快適な同時通話を実現するヒアラブル・デバイスを開発するBONXは、「グループ内で、同じ音楽を聞くことができる体験を提供したい」とした。

 FinTech向けブロックチェーン技術を保有するOrbは、エンターテインメント分野に転用することを提案した。非中央集権的なDRM(デジタル著作権管理)プラットフォームを構築し、合法的な2次利用著作物の流通を目指したものだ。

 このほか、同イベントには、美容師と「サロンモデル」のマッチングサービスを手がけるCOUPE、リアル店舗の店員による提案を組み合わせることで好みに合ったファッションを見つけられるEC(電子商取引)サービスを提供するスタイラー、スポーツの熱狂体験を共有するサービスを提供するookami、簡単にVRコンテンツを作成し配信できるツールを提供するInstaVRが登壇した。

 同イベントの審査員は、エイベックス・グループホールディングス代表取締役CEOの松浦勝人氏、アーティストの小室哲哉氏、経営共創基盤の塩野誠氏の3氏が務めた。それぞれ審査員賞として、クラスター(松浦氏)、InstaVR(小室氏)、BONX(塩野氏)を選出した。(写真2

写真2 登壇したベンチャー企業代表と審査員、関係者
写真2 登壇したベンチャー企業代表と審査員、関係者
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■変更履歴
記事公開時、小室哲哉氏の名前を誤って表記しておりました。リンクは修正済みです。 [2017/4/5 21:10]