英Imagination Technologiesは現地時間2017年4月3日、主要顧客である米Appleから、同社GPUアーキテクチャーの採用打ち切りを通達されたことを明らかにした。

 AppleはImaginationに対し、15カ月から2年以内に、新製品におけるImaginationのGPU関連技術の使用を停止すると告げたという。

 Appleは長年にわたってImaginationのGPUアーキテクチャーを採用してきた。Imaginationの技術および知的財産は「iPhone」のほか「iPad」「iPod」「Apple TV」「Apple Watch」に使われている。

 しかし、Imaginationによると、Appleは「自社製品を管理するため」として、独自GPUの開発に取り組んでおり、将来的にImaginationへの依存度を縮小すると主張している。

 Imaginationは、同社の特許や知的財産、秘密情報を使用することなく独自でGPUを開発できることを証明するようAppleに求めたが、Appleはこれを拒否したという。

 Imaginationは「我々の知的財産権を侵すことなく、まったく新しいGPUアーキテクチャーを設計することは極めて困難」との見解を示し、「Appleの主張は受け入れられない」と述べている。

 Appleから通告を受け、Imaginationは現在のライセンスおよびロイヤリティー契約の代替案について交渉したことを明らかにした。

 Imaginationは、Appleが同社の知的財産や秘密情報を不正に使用した場合には法的手段を講じる可能性を示唆している。

 米TechCrunchの報道によると、AppleはImaginationの株式の8%を保有している。約1年前、AppleがImagination買収を計画しているとの噂が巡ったが、交渉はまとまらなかった。その半年後、Appleが独自GPU開発プロジェクトのために複数のエンジニアを引き抜いていると報じられた。

 AppleがImaginationに支払うライセンス使用料はImaginationの総売上高の半分を占める。2016会計年度(2016年4月締め)のライセンス使用料は6070万ポンド(約84億円)で、今年は6500万ポンド(約90億円)にのぼる見込み。Appleによる採用打ち切りの報道を受け、Imaginationの株価は約70%下落した(英Reuters)。

[発表資料へ]