東京ケーブルネットワーク(TCN)、クナイ、東亜エレクトロニクス、クロスデバイス、J.COTTは、5社による「CDN/C利活用検討プロジェクト」においてVR映像の伝送の検証実験を実施したと2017年3月31日に発表した。

 検証実験は、TCNのケーブルテレビ実伝送路を用いて実施した。大容量VRコンテンツデータのケーブルテレビ網IPDC伝送と、ケーブルテレビ網を用いた新しいCDNである「CDN /C構想」の有効性を確認したという。

 CDN/Cでは、放送用の電波にIPパケットを乗せて、コンテンツを送信する形態となる。「ケーブルテレビネットワークの特徴を生かして、既存のケーブルテレビシステムをCDNにするという発想」と説明する。プロジェクトでは、ケーブルテレビの新しいサービスモデルとケーブルテレビが担う新しい社会的役割創生の可能性を有するものと期待する。

図●CDN/Cの概念
図●CDN/Cの概念
(発表資料から)
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 ライブ配信だけでなく、端末でのデータ蓄積(プッシュキャスト)などとの併用で、4K・8KコンテンツのVODサービスなど大容量データの流通・デリバリーをケーブルテレビの片方向伝送で実現することを目指す。

 検証実験には、オブザーバーとして総務省関東総合通信局、東北新社が参加、一般社団法人日本ケーブルラボ、IPDCフォーラム、ケーブルテレビ情報センター(CRI)が後援した。また、古河電気工業とヴィレッジアイランドが機材提供で協力した。