富士通は2017年3月31日、オンプレミスからクラウドサービスまでさまざまな業態の業務システムに手のひら静脈認証機能を追加できる組み込みソフトウエア「FUJITSU Security Solution 本人認証基盤 AuthConductor Server」を4月から提供すると発表した。業務システムの従業員の認証だけでなく、企業が提供するサービスの利用者の認証にも適用できる。価格は個別見積もり。

「FUJITSU Security Solution 本人認証基盤 AuthConductor Server」の概要
「FUJITSU Security Solution 本人認証基盤 AuthConductor Server」の概要
(出所:富士通)

 業務パッケージの連携やWebAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の利用により、銀行ATM(現金自動預け払い機)や決済端末の連携など、さまざまな業態において複数の業務システムに手のひら静脈認証機能を組み込める。業務システムごとに独立した個々の認証環境を構築できるため、顧客環境に合わせて柔軟にシステムを構築できる。従来の本人認証ソフトウエアは、主にPCログオン認証など特定のセキュリティ用途が中心だった。

 個々の認証環境に格納される生体情報を統合管理するため、システムごとに手のひら静脈情報を運用管理する手間が省ける。また、電子政府推奨暗号リストで推奨される暗号方式を採用し、生体情報を格納しているデータベースを分散するなど、高度なセキュリティ技術を採用した。

 同ソフトの導入により、複数の業務で本人認証を手のひら静脈認証に統合できる。また、従来の磁気カードやICカードでの認証を手のひら静脈認証に容易に変更できるため、銀行ATMやクレジットカード決済のカードレス化の推進に寄与するという。金融分野だけでなく入場ゲート、自動精算機など産業機器分野への適用も期待する。

 今後3年間で5億円の販売を見込む(関連ソフト、システム開発含む)。同社のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」上で数万人以上の大規模な利用者の生体情報を預かり、顧客のシステム利用者をリモート認証するクラウド型手のひら静脈認証のサービス化を検討する。

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