韓国サムスン電子は2017年3月29日(現地時間)、米ニューヨークで発表イベント「Galaxy Unpacked 2017」を開催し、フラグシップスマートフォンの最新機種「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」を発表した。

 2017年4月21日より、世界各国で販売を開始する。詳細な発売地域や価格は追って発表予定となる。

S8発表で「Galaxyへの信頼取り戻す」

 発表会には、サムスン電子 無線事業部門社長の高東真(コ・ドンジン)氏が登壇した。「単に新しい端末を発表するだけでなく、まったく新しいスマートフォン体験を提案したい」と話す(写真1)。

写真1●サムスン電子 無線事業部門社長の高東真(コ・ドンジン)氏
写真1●サムスン電子 無線事業部門社長の高東真(コ・ドンジン)氏
(撮影:山口 健太、以下同じ)
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 Galaxy Unpacked 2017は、回収騒ぎを起こしたGalaxy Note7の発表後、初めてのスマートフォンの発表イベントとなる。高氏は、「人々にとって必要なものはすべて、スマートフォンに乗るようになった」と、スマホの重要性に改めて言及する一方で、「だからこそ、品質や安全性に対して本気で取り組む必要がある」と語った。

 その結果、「本日発表する新製品により、Galaxyへの信頼を取り戻すことができるはずだ」(高氏)と強調したうえで、「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」を発表した(写真2)。

写真2●「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」を発表
写真2●「Galaxy S8」と「Galaxy S8+」を発表
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ほぼベゼルのない「18.5:9」の縦長画面を採用

 Galaxy S8では、これまでティザーサイトなどに使用してきた「Unbox your phone」というフレーズをキャッチコピーとした。物理的な「枠」に覆われていた従来のスマートフォンから、ベゼルやホームボタンが弾け飛んでいく動画を用いて、本体の大部分を画面が占める「Infinity Display」を発表した(写真3)。

写真3●ベゼルやホームボタンを廃した「Infinity Display」
写真3●ベゼルやホームボタンを廃した「Infinity Display」
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 これにより没入感の高い体験が可能になるほか、ソフトウエアキーボードは広く表示され、より多くの情報を表示できるためスクロール量が少なくて済むなど、使い勝手の向上も得られるとした。従来通り、エッジスクリーン機能にも対応する(写真4)。

写真4●大画面化により、操作性も向上
写真4●大画面化により、操作性も向上
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 ディスプレイの縦横比は「18.5:9」。従来の16:9の画面に比べて、長辺方向に長い縦長の画面になった。18.5:9の画面を活かしたコンテンツとしては、NetflixやAmazonプライムビデオによる動画を紹介した。モバイルデバイスとして初めて、UHD Allianceによる「MOBILE HDR PREMIUM」認証を取得したことも明らかにした(写真5)。

写真5●18.5:9の画面でNetflixなどの動画を楽しめる
写真5●18.5:9の画面でNetflixなどの動画を楽しめる
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 これまでハードキーとして実装されていたナビゲーションキーは、ソフトウエア実装に変更された。中央のホームボタンの位置には内部的にセンサーを搭載しており、画面上に表示されていない場合でもホームボタンとして機能する(写真6)。

写真6●ナビゲーションキー
写真6●ナビゲーションキー
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 SoCには10nmプロセスを採用。Galaxy S7世代との比較で、CPU性能は10%、GPU性能は21%向上したという。バッテリー容量はGalaxy S8が3000mAh、S8+が3500mAhを搭載。バッテリーの安全性は最優先に検証しており、8つの観点からの安全性基準を設けたという。

 生体認証機能も強化。これまでホームボタンに搭載してきた指紋センサーは本体背面に移動。新たに「虹彩認証」と「顔認証」にも対応した。認証方式として、虹彩・顔・指紋・パターン・パスワードの中から好みの方式を選べる(写真7、8)。

写真7●新たに対応した「虹彩認証」
写真7●新たに対応した「虹彩認証」
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写真8●「顔認証」にも対応した
写真8●「顔認証」にも対応した
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 本体カラーはGalaxy S8、S8+ともにMidnight Black、Orchid Gray、Arctic Silver、Coral Blue、Maple Goldの5色を展開する。発売地域により実際に発売するカラーは異なる(写真9)。

写真9●カラーバリエーションは5色展開
写真9●カラーバリエーションは5色展開
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