米Amazon.comは現地時間2017年3月28日、かねて噂されていた、商品の店頭受け取りサービスを発表した。

 サービス名は「AmazonFresh Pickup」。その名が示すとおり主に生鮮食品を扱い、商品は数千種類をそろえる。すでに同社の本社がある米ワシントン州シアトルのバラードとソードー地区に2店舗を開設しており、Amazon.comの従業員を対象に試験営業を始めた。

 利用者はスマートフォンなどを使ってオンラインで商品を注文し、希望の商品受け取り日時を指定した後、車で店舗に行き、商品を受け取る。店舗では、Amazon.comの従業員が商品を選び、紙袋に詰め、車のトランクまで運んでくれる。Amazon.comがWebサイトに公開したビデオによると、時間指定は午前11時から午後1時、午後1時から午後3時といった具合に2時間単位で行える。商品はオンラインで注文後、最短15分で用意できるとAmazon.comは説明している。

 同サービスはAmazon.comの有料プログラム「Prime」や、会員制の生鮮食品オンライン販売サービス「AmazonFresh」のメンバーに向けたもので、追加料金は不要。最低注文量という制約も設けないという。前述のとおり、現在は同社従業員を対象に営業しているが、希望者には準備が整い次第、サービス開始の通知を電子メールで送るとAmazon.comは案内している。

 Amazon.comが、ドライブスルー方式の商品受け取り店舗を計画しているという観測はこれまでにも出ていた。米Wall Street Journalは、このAmazon.comの新業態店舗は、カーブサイドピックアップ(商品の店頭受け取り)サービスを2018年末までに全米1000店舗に拡大しようとしている米Wal-Mart Storesに対抗するものだと伝えている。