米Appleは現地時間2017年3月27日、モバイルプラットフォームの最新アップデート「iOS 10.3」の正式版をリリースした。複数の脆弱性を修正したほか、ワイヤレスヘッドホン「AirPods」を探す機能などを追加した。

 iOS 10.3により、「Find My iPhone(iPhoneを探す)」機能を使用してAirPodsの所在地を確認できる。ケースに入っていたり、バッテリーが切れている場合は、最後に認識した位置が表示される。AirPodsの片方あるいは両方から音を出して、それを手がかりに探し出すことができる。

 「Siri」に対する一連の強化では、決済アプリケーションでの支払いや請求書の確認、配車アプリケーションでの配車予約が行える。自動車メーカーのアプリケーションで燃料の残量やロック状態を確認したり、点灯やクラクションなどを操作できる。インドのクリケットリーグ「Indian Premier League」と国際クリケット評議会が提供する試合結果などの情報も、Siriに尋ねて確認できる。

 車載統合システム「CarPlay」では、最後に使ったアプリケーションにすぐにアクセスするためのショートカットをステータスバーに追加したほか、定額制音楽配信サービス「Apple Music」に関する操作性を向上した。

 米The Vergeの情報によると、iOS 10.3では、開発者は「App Store」のレビューに公開回答できるようになる。またユーザーは、他のユーザーのレビューに対して「役に立った」などの評価を付けられる。

 さらに、同アップデートでファイルシステムが「HFS+」から「Apple File System(AFS)」に切り替わり、暗号化が強化され、ストレージが最適化される。米ZDnetは、念のためアップデート前にバックアップをとっておくことを勧めている。

 なお、iOS 10.3で32ビットアプリケーションを起動すると「このアプリケーションはiOSの将来バージョンでは動作しません」との警告が表示される。開発者はできるだけ早く64ビットに対応させる必要がある(米Forbes)。

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