人工知能(AI)やビッグデータ分析関連のソフトウエア製品開発・販売を手掛けるメタデータは2017年3月28日、AIを利用した競合分析・可視化製品「AIポジショニングマップ Mr.DATA」を発売した()。既存製品である「AIポジショニングマップ」の強化版に当たり、地名や人名などを軸にした競合分析を容易にするのが狙いだ。

図●「AIポジショニングマップ Mr.DATA」の画面例
図●「AIポジショニングマップ Mr.DATA」の画面例
(出所:メタデータ)
[画像のクリックで拡大表示]

 AIポジショニングマップは、アンケートの自由意見やソーシャルメディアでのコメント、顧客の声といったテキストデータから「ポジショニングマップ」を生成するソフト。ポジショニングマップは、自社の製品やサービスが競合と比べてどのような強みや弱みを持つかを可視化したもので、主にマーケティング分野で利用する。

 同ソフトでは、テキストのネガティブ度合いやポジティブ度合いを7段階で評価する「高精度ネガポジAPI」や、テキストを1万種類の意味カテゴリーに分類する「意味カテゴリAPI」といったAI機能を利用して、ポジショニングマップの生成を容易にしている。マップの対象とする競合群(社名や製品名など)と可視化したい属性を二つ(X軸とY軸に相当)指定すると、マップを作成できる。

 メタデータの野村直之社長は「通常はポジショニングマップを1枚作成するのに数週間かかるが、AIポジショニングマップを使えば1時間で30枚作成できる」と話す。同社はAIポジショニングマップを2016年4月から提供しており、約60社が導入しているという。

 今回発売したAIポジショニングマップ Mr.DATAは、AIポジショニングマップにテキストデータの整備を支援する機能である「5W1Hメタデータ API」を追加したもの。テキストデータを取り込む際に、データに含まれる地名や人名、会社名、日付・時刻などに応じて、テキストをまとめ上げる機能を提供する。これを使うと「行政区に対応したヒートマップを作成する」「市区町村だけの記述から都道府県名を推定する」といった作業を効率化できるという。

 メタデータは、AIポジショニングマップ Mr.DATAをオンプレミス、クラウドサービスのほか、インストール済みサーバーレンタルの形で提供する。価格はいずれも月額10万円から。