リクルートホールディングス(HD)は2017年3月27日、人材管理のクラウドサービスを手掛けるカオナビの発行済み株式の一部を取得し、持ち分法適用会社にしたと発表した。リクルートHDは顔写真を使ったカオナビ独自の人材管理技術に着目。HRテック事業への参入を目指し、業務提携を検討する。

 リクルートグループの投資ファンドを通じて取得した。取得金額は非公表だが数億円程度とみられる。

カオナビの人材情報管理画面
カオナビの人材情報管理画面
(出所:カオナビ)
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 カオナビは従業員の顔写真が並ぶ画面を使って人材情報を共有・管理するクラウドサービスを提供している。従業員の顔と名前、実績、評価、主なスキルといった情報を一元管理することで、マネジャーや社員の意思決定を支援する。

 リクルートHDは今回の株式取得を通じ、「カオナビとHRテック領域における事業提携の検討・協議を開始する」としている。具体的な事業内容は未定だが、「現場主体の人材マネジメントや導入企業のERP(統合基幹業務システム)と共存しやすいといったカオナビの特徴に可能性を感じた」(リクルートHD)と説明する。リクルートHDの既存の人材事業は就職や転職といった分野が主体で、従業員向けを対象にした人材ITサービスは手薄だった。