トヨタ自動車とNTTグループは2017年3月27日、無線通信で外部と情報をやり取りする「コネクテッドカー(つながる車)」で協業すると発表した。自動車から得られる大量データの解析や、人工知能(AI)の活用といったコネクテッドカーの基幹技術を共同開発する。

 今回の協業では、車両情報や渋滞状況などビッグデータの収集・蓄積やリアルタイム分析、クルマへのデータ配信などを担う基盤づくりや、ビッグデータの安全で確実な集配信に必要なグローバルのネットワークなどの構築に向け必要な技術を検証する。第5世代通信技術や「エッジコンピューティング」、AIによる運転アドバイスなどのサービスについても技術開発を進める。

 こうした技術を確立すれば、例えば、車両のエンジンや変速機からの情報を分析して故障を予測するサービスや、人工知能(AI)を活用してドライバーの運転パターンを分析し、省エネドライブを呼びかけるサービスなどをグローバルに展開しやすくなる。事故の際に、人が連絡しなくても緊急車両の手配を依頼できるサービスも可能だ。

 トヨタのコネクテッドカー開発をめぐってはKDDIも協業関係にあり、米マイクロソフトも関連特許を供与することを決めた。トヨタは2020年までに日米で販売するほぼすべての乗用車に通信機能を標準装備する計画で、NTTグループの技術も生かして開発を加速させる。