米Appleがまもなくインドで「iPhone」の生産を開始すると、米Wall Street Journalが現地時間2017年3月23日に報じた。

 報道によれば、Appleの製造パートナーである台湾の電子機器製造受託業者、Wistron(緯創資通)が、4~6週間後にもインド南部、カルナータカ州のバンガロールで、「iPhone 6」と「iPhone 6s」の組み立て作業を開始する見通し。また約3カ月後には2016年3月に発売した廉価モデル「iPhone SE」も組み立てラインに入れる。カルナータカ州政府の当局者が語ったと伝えている。

 インドでは大半のスマートフォンが150ドル以下で販売されているが、iPhone SEの価格は330ドルからと割高。Appleが同国でiPhoneの組み立てを行うことで、輸入関税が軽減され、iPhoneの価格は100ドル以上下がる可能性があるという。

 またAppleは、インド生産の次の段階として、部品生産も同国で行い、完成品をインド国外に輸出することを検討していると伝えている。同社はこれまで、iPhone事業にかかる課税軽減などの特別措置を求めていると伝えられていた。

 インドにはAppleが求める高性能部品を供給できるメーカーが少ないため、同国でiPhoneを組み立てるには電子部品を輸入する必要がある。しかし、それらの部品にはインドの関税がかかる。Appleは同国でiPhoneの組み立て作業を始める条件として、部品の課税軽減といった特別措置をインド政府に求めていた。しかし、今回のWall Street Journalの報道によると、今のところ、インド政府はこうしたAppleの要求の大半を受け入れていないとしている。