米Nexsanは2017年3月23日、クラウドストレージサービスのようなファイル共有・同期機能を備えたストレージ製品「Unity」を、日本国内で発売すると発表した。

 Unityは、きょう体1台でSAN(Storage Area Network)とNAS(Network Attached Storage)の両方に対応するユニファイドストレージ。特徴は、NAS向けのファイル共有・同期機能「Enterprise File Sync & Share」である。

 Enterprise File Sync & Shareは、社外の端末と社内ネットワークに設置するUnityとの間で、特定ファイルを共有・同期させる機能。Unity内の特定のフォルダーやファイルを指定しておくと、当該フォルダーのファイルが更新されるたびに同期を取り、最新状態を保つ(写真)。

スマートフォンでファイル共有・同期機能を利用する様子
スマートフォンでファイル共有・同期機能を利用する様子
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 共有・同期機能を利用するには、PCやサーバー、スマートフォンなどの端末に専用ソフトを導入する。専用ソフトとUnityの管理用サーバーがやり取りすることで、アクセスできる端末やフォルダー、ファイルを識別する仕組みである。Nexsanの藤森康郎氏(システムエンジニア)は、「VPN(Virtual Private Network)を使わなくても、社外の端末が安全にファイルにアクセスできる」と話す。プライベートクラウド内のファイアウォールで守るNASを、「Box」などのクラウドストレージサービスのような感覚で利用できるわけだ。専用ソフトを使わない場合は、Webブラウザー経由でもファイルにアクセスできる。

 VPNを使わずに外部からアクセスできる仕組みは、取引先とファイル共有するといった用途にも応用可能。Nexsanの藤森氏は「放送局と映像制作会社の間で、短時間で大容量の映像データを共有するといった用途に向く」と話す。共有フォルダーにファイルを登録すると、UnityがファイルをUDP(User Datagram Protocol)で各端末に伝送する。

 このような用途は、従来であれば双方の拠点にストレージを用意したり、データを短時間で伝送するための通信ソフトを別に用意したりする必要があった。その点、Unityは一方の拠点に設置するだけでファイル共有が可能になるという。

 価格は最小構成で400万円から。国内の販売代理店は、伊藤忠ケーブルシステム、エスエーティ、クロス・ヘッド、ジェイ・エム・ティーの4社。