三菱東京UFJ銀行は3月21日、マイナンバーカードを利用して住宅ローン契約ができる電子システムの運用を4月下旬から開始すると発表した。マイナンバーカードを利用した電子契約システムは銀行業界では初めてという。

 三菱東京UFJ銀行はマイナンバーカードの内蔵ICチップに搭載した公的個人認証(JPKI)の署名用電子証明書を利用して、住宅ローンの事前審査後の手続きを電子化する。マイナンバーそのものは扱わない。

図●住宅ローン契約電子化システムのイメージ図
図●住宅ローン契約電子化システムのイメージ図
(出所:三菱東京UFJ銀行)
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 マイナンバーカードを利用する住宅ローン契約は、凸版印刷とシステムコンサルタントが新たに開発したサービス「Speed Entry Trust(スピードエントリー・トラスト)」を利用する。銀行顧客の本人認証や、電子署名ができる。凸版印刷はJPKIのプラットフォーム事業者として総務大臣認定を取得する申請を行った。今後、他の銀行にもサービスを提供する計画という。

 住宅ローンの銀行顧客は、来店や書類への記入、押印、借入金額に応じた所定の印紙貼付などが不要になる。自宅で「利用者クライアントソフト」をインストールしてICカードリーダーを接続したパソコンで、住宅ローンの全ての手続きが完結できる。

 三菱東京UFJ銀行は、三菱地所レジデンスの首都圏新規分譲物件や、東急リバブルの不動産売買仲介店舗の首都圏受け付け分を対象に開始して、順次拡大する予定という。