NTTデータは2017年3月21日、銀行口座を使ったスマートフォン決済サービスを2018年度前半をめどに始めると発表した。利用者はスマホアプリに銀行口座を登録するだけで利用でき、クレジットカードは必要ない。金融機関や小売店などとの実証実験を経て、学生などクレジットカードを持たない消費者を中心に普及を目指す。

 同サービスは、NTTデータが提供するクレジットカード決済インフラ「CAFIS(キャフィス)」を利用する。CAFISには流通・小売業などの加盟店約2000社、金融機関約1600社、クレジットカード会社約120社が加盟している。

 NTTデータは2017年度上期中に、CAFISの加盟店舗や金融機関などの協力を得て、実証実験を始める計画だ。具体的な店舗や金融機関は決まっていないが「メガバンクや地方銀行などと実証を進めたい」(NTTデータ広報)とする。

 消費者はまずスマホアプリに口座番号を登録する。加盟店での支払いは同アプリの機能を使って実施する。支払い時の認証には、指紋や暗証番号などを使う。店舗での支払いが完了すると、利用者が登録した銀行口座から即座に金額が引き落とされる。

NTTデータが2018年度上期に提供開始する予定の、スマホアプリの決済サービス。利用者はクレジットカードを登録する必要がない
NTTデータが2018年度上期に提供開始する予定の、スマホアプリの決済サービス。利用者はクレジットカードを登録する必要がない
(出所:NTTデータ)
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 米アップルが提供する「Apple Pay」など、スマホを使った決済サービスのほとんどは、クレジットカードやプリペイドカードなどの登録が必要だ。NTTデータは、カード登録なしに銀行口座から直接支払いが可能になる利点を訴え、CAFISの加盟店全てでスマホ決済サービスを提供することを目指す。