経済産業省は2017年3月20日、日独両政府がIoT(インターネット・オブ・シングズ)の活用で協力する「ハノーバー宣言」に19日(現地時間)、署名したと発表した。独政府が国策として進めてきた製造業の生産性を向上させる「インダストリー4.0」のような取り組みを、日独で協力して拡大する。技術開発や活用に関する標準規格の策定や、規制改革などで連携する。

 ハノーバー宣言は、サイバーセキュリティや国際標準化、規制改革などについて、9個の協力事項をまとめた。IoTやインダストリー4.0などを推進する際に必要な、規格の策定やデータ流通などについて協力する。人工知能(AI)技術の開発については、産業技術総合研究所とドイツ人工知能研究所が協力する。

 自動車産業で先端技術を活用する協議も進める。電動自動車、自動運転、コネクテッドカーなどの開発とそれらを支えるシステムに必要な技術開発で協力する考え。

 日独両政府は2016年4月に、サイバーセキュリティや国際標準、規制改革、人材育成、研究開発などで協力する声明を発表している。「約1年間、両政府で議論を進めてきた。さらに協力体制を深める」(経済産業省)。ハノーバー宣言によって、両政府の密接な協力体制が実現しそうだ。