米Amazon.comは、音声アシスタント「Alexa」を搭載したiOS版ショッピングアプリを提供する。米TechCrunch米Ars TechnicaAppleInsiderなどの海外メディアが現地時間2017年3月16日までに報じた。TechCrunchによると、3月19日の週には米国のすべてのiOSユーザーがダウンロードできるようになる見通し。

 Amazon.comのショッピングアプリには、従来から検索テキスト入力バーの右側に、音声検索用のマイクアイコンがあったが、アプリの新版では、このアイコンがAlexaの起動ボタンになる。従来のようにショッピング関連の質問だけでなく、Amazon.comのスピーカー型機器「Amazon Echo」「Echo Dot」「Amazon Tap」や、Alexa対応「Fire TV」などと同様のアシスタントサービスが利用できる。Webサイトに掲載された説明によると、「音楽をかけて」「Kindle本を朗読して」「最新ニュースは?」「今日の天気は?」「今の道路状況は?」といった命令や質問に応えるという。

 このほかAmazon.comが「スキル」と呼ぶ、サードパーティーが提供するAlexaの拡張機能・サービスも利用できる。これにより、例えばUber Technologiesに配車サービスを依頼したり、Starbucksにコーヒーを事前注文したりすることができる。また、Alexa対応の家電を設置していれば、音声命令で室温を調整したり、スイッチをオン/オフしたりすることも可能になる。これらのスキルはAmazon.comが別途配信しているモバイルアプリ「Alexa」、あるいはWebサイトで設定する。

 TechCrunchは、ショッピングアプリで提供されるAlexaを「モバイル版Alexa」だという。従来のようにAmazon Echoなどのハードウエアを購入することなく、Alexaを利用できるからだ。ただ、アプリ内で提供されるAlexaは、まだこのサービスを使ったことがない消費者への宣伝であり、Echoシリーズの販売拡大につながる可能性があるとTechCrunchは伝えている。