ソフトバンクと中国のアリババグループの合弁会社であるSBクラウドは2017年3月16日、中国でトップシェアを持つパブリッククラウドサービス「Alibaba Cloud」の活用事例を説明した。

 アリババグループのソン・ジョン副総裁は、Alibaba Cloudについて「ベンチャー企業でもアリババと同様のITインフラを運用できる。中国で4億5000万人のオンライン取引を成立させているセキュリティも強みだ」と述べた。

アリババグループのソン・ジョン副総裁
アリババグループのソン・ジョン副総裁
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 説明会では、SBクラウドが日本に保有するデータセンター(日本リージョン)の活用事例が紹介された。訪日外国人向けのネットサービスを手掛けるSOZONEXTは、Alibaba Cloudをインフラとして活用し、訪日外国人向け旅行サイトを構築した。

 同サイトでは訪日外国人に対し、来日前は民泊やホテルの予約販売、来日中はレストランの予約などのコンシェルジュサービス、帰国後は日本の各種店舗からのキャンペーン情報配信や越境EC(電子商取引)といったサービスを提供する。

 来日中に利用するシステムはAlibaba Cloudの日本リージョンを使い、来日前や帰国後に利用するシステムは中国リージョンを使う。二つのリージョンを併用する理由について、SOZONEXTのシン・ショウカク代表取締役社長は「日本から中国のサーバーにアクセスすると通信速度が低かったり、通信できなかったりするため」と話す。

Alibaba Cloudの日中リージョンを併用するSOZONEXTの事例紹介
Alibaba Cloudの日中リージョンを併用するSOZONEXTの事例紹介
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 サービス開発中にはトラブルが起きたが「サポートの対応は早かった。結局は我々が設定した仮想サーバーのメモリー容量が足りていなかっただけだった」(同)と、Alibaba Cloudの使用感を説明した。